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「答えのない世界」を生き抜く鉄則

記事

「『答えのない世界』を生き抜く鉄則」と題された、大前研一氏の講演の内容が、ITproに掲載されていました。

未来を見通す事の出来ない、混沌とした現在に置かれて、漠然とした不安感を感じている人は多いと思いますが、自分もその一人なので、こういったタイトルには惹かれてしまいます。

幾つか個人的に面白いと感じたところを、取り上げたいと思います。

今、韓国や中国が貿易黒字になっておりますけれども、仮にウォンや人民元が4倍の強さになったらどうでしょう。これらの国はかつての日本とは違って、おそらく生き残れません。日本企業が1985年以降、20年間にわたって、いかにイノベーションやコストダウンに取り組んできたかということです。

今の時代はorの経営が必要です。更地に新しいモデルを作ってしまう。そうすると、コクヨもびっくりということになります。しかも、独立してやれと言われたので、プラスの商品を売るためだけのデリバリーモデルではなく、どこの商品であっても遠慮なく扱えた。これがアスクルの成功の鍵です。

中国は1年間に1万5000キロぐらいの道路を造ってしまう。市長が地図に赤い線を引いて、ここに道路を造る、だからどけ、と言ったら終わりです。

マスコミの方は本物の経営者を見抜く力がまったくありません。

楽天がTBSに資本参加したとき、私は日本の週刊誌数誌に「誤った戦略である」と書きました。ポータルサイトを標榜したいのであれば、すべてのコンテンツプロバイダーと等距離にならないといけない。これは鉄則です。TBSだけ特別です、と言っていたらポータルを維持できません。従って1000億円もかける意味はまったくない。こう書いたら、三木谷さんはご立腹されて私の事務所に来ました。説明したら、すごすごと帰っていかれましたけれど、これは舞い上がった人間はいかに勉強しないかということを物語っていると思います。彼らは株式市場が評価してくれると、自分の会社がよくなったと思ってしまうんです。ところが、株式市場なんていうものは、企業をなかなか評価できないものなのです。

いわゆるITの寵児という人たちはまったく勉強していない。

フットプリントを見ていて、GyaOが落ちてきてユーチューブが上がってきた、だからUSENは売り、ということが分かるわけです。

システムのアウトプットだけ見るようになる。今の日本のお医者さんみたいです。患者なんかほとんど見ないで計器の数字だけを見て、「まだ生きているようですね」なんて言う。

ある時はITを使って加速する。そのITでがちがちに固まってきた時には、それまでやってきたことを破壊する。このリズムが会社の経営にとって最も大切なんです。

同じ発想の人が車座になって知恵を出すというのが、改善型経営、まさに日本型経営の一番よかったところなんですけれども、今それでは追いつかない。はちゃめちゃな発想をする人も入れないといけない。ところが今までは、はちゃめちゃな発想をする人は、沈まぬ太陽ナイロビ支店長、という世界に行かされてしまうわけです。

アルビン・トフラーさんの『第三の波』というのは世界的なベストセラーになりました。中国はあの本から目覚めたと言っても間違いではないです。トフラーさんは中国に行くと国賓級の待遇です。中国のトップはみんな『第三の波』を読んで育っている。というか、育ってからみんな読んだんですね。

日本の農民は世界の農場経営者になれ、と書いた。農業基盤整備事業に42兆円も使うんだったら世界中の農地を買えますからね。カーギルとかコンアグラとか、世界4大穀物メジャー全部を買っても7兆円ですから、42兆円もかけて土木工事をしている場合じゃないでしょう。

ピーター・ドラッカーさんがいい言葉を作りました。これからはナレッジワーカーで生きていこうと。ただ、ITはインドが強い。従って第3次産業も意外に早くインドに行ってしまうかもしれない。ヨーロッパではロシアがITの下請けをやっています。

日本は何で飯を食うんですかとなってくる。もうないんですよね。それが要するに、「答えのない時代にどうやって生きていくのか」ということです。その答えは、答えがなくても自分で考えられる「感性」というもの、デザイン力というものです。

日本は、すでに答えを出しているんです。前例がなくても、若い人でも何でも、クリエーティブでありさえすれば評価されるという環境をつくってやる。そうすれば、日本人の創造性というのは想像を絶するぐらい発揮される、ということですよ。

日本人はあらゆる分野で感性と技能を発揮できるのです。

答えがない、それでいいんです。ところが日本の学校教育というのは、答えを教えますよね。明治以来、欧米に答えがあると。文科省は指導要領というのを作っていますよ。指導要領があるということは、前提条件として答えがあるということです。これは21世紀で最も危険な考え方です。

21世紀に最も重要なのは、答えがなくても自分はこうだと思う、と言えることです。しかも単なる意見ではなくて、証拠とか、データとか、分析に基づいて論旨を展開した結果、自分はこう思うと打ち出す。クラスに20人いたら、20人が違うものを持ち寄ってきて、じゃあ、どうしようかということを考えられる。これが非常に重要な21世紀を生き抜くスキルになります。

21世紀はリーダーシップというものがお金を稼ぐ種になるわけです。なぜかというとみんな答えがないですから。僕はこう思うと、君はどう思うかと、人の意見を聞くんです。その人の意見を聞いたときに、なるほどそれだったらこうしようと、どっちの意見でもないものを出す力、これが極めて重要になります。これは新しいものを合成する力、シンセサイズと言います。そういうことができる能力を持った人がこれからの時代にリーダーシップを持ちます。

 

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